アグドナ: Difference between revisions
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Revision as of 18:57, 19 April 2020
アグドナ(Agudner)とは偶蹄類に似た特徴をベースに様々な哺乳類の要素を持つエルタス人。惑星タルにおいて「人間」として認識される知的生命体、エルタス三種族の一つ。古代名及び語源はアグー(Agur)。
ヤギ、アルパカ、リャマ、シカなどの偶蹄類、ウサギ、リス、ブタ、イノシシ、サル、クマ、サイ、そしてヒトなど様々な哺乳類に似た風貌を持つ。
完全な哺乳類で、乳房及び女性は授乳機能を持つ。エルタス三種族の中では最も人間に近い性質を持ち、精神および文化的振る舞いに見られるそれはサーガルやネウリアのものとは一線を画している。このため、エルタス三種族の中ではある意味最も「人間的な」種族と言える。
サーガルとほぼ同等の非常に大きな人口を持ち、主な居住地はゴールドリングなどの南部やレオノとその周辺の東部の地。北部・シーグにも昔からごく少数が暮らしており、戦中はレオノからの捕虜、戦後はグローバル化を合わせてより多くのアグドナ人口を持つ。惑星タルの大陸ほぼ全域に広く分布しているが、西部・ネイティブネウリアの集落にのみ一切存在しない。
概要
性格外見共に非常に幅広い個性と個人差があり、エルタス三種族の中では最も多彩なキャラクターを目に出来る。その上でアグドナ特有の人種的特徴も併せ持つ。
サーガルと全般的に仲が良く、この二種が存在する地域ではほぼ二つで一つの関係であるとも言え、互いの長所を活かし合って数々の文明技術を共に発展させてきた。特に南部での歴史と協力体制が非常に長く深い。
手先が器用で神経集中を要する作業も熟せるため、アグドナ族ほぼ全体を通じて職人や技師などに非常に適している。多くのアグドナがタルの文明発展に貢献した傍ら、シーグ王国時代には技術奴隷として拉致され軍事技術・兵器開発に使われた歴史もある。
姿、振る舞い、性格、男女差共にエルタス三種族の中では最も地球の人間に類似している。代表例ではサーガルやネウリアが「感情的な固執や執着」をあまり示さない反面、アグドナは極めて強いそれらを見せることが上げられる。簡単な例では嫉妬をしやすい、根に持ちやすい等で、他のエルタス人と比較するとサーガル達は同じグループ内であれば実際の血の繋がりを気にせず平等に子の面倒を見るが、アグドナ達はどちらかというと実子に拘る等。
形態
アグドナの男性「バクー」。若い頃はやせ型だったが、成人してからかなりの肥満となった。ヤギとリスの中間的な風貌をしている。
短めのマズルや多彩な頭髪などエルタス人の中では最もヒトに近い姿をしており、唯一女性が乳房および授乳機能を有する。
「蹄状の手足」、「頭部のツノ」、「短い尻尾」を共通項・基本形とした上で、個人差によってよりヤギに似た人、ウシに似た人、ウサギに似た人など実に様々な哺乳類を彷彿とさせる風貌を持つ。
地毛は黒や茶褐色~黄褐色で、自然な青や緑の毛は存在しない。
成熟年齢はサーガルより少し遅い。
※2015年以前に描かれたものはボツデザインも多いため注意。
頭部
マズルは低めで鼻先は基本的に下を向く。鼻の形状は完全にヒトの鼻というよりも「非常に短くて下を向いているサーガルの鼻」に近い。
アルパカタイプの場合、首周りを厚い毛が覆っている。
目の色は通常灰褐色や茶色など。アジア人のような真っ黒な瞳を持つことはアグドナ特有。
瞳孔はヤギ等の偶蹄類と同様、横長に四角い。
ツノ
アゴヒゲと牙同様に、男女共に持つ。生え方や形状には大きな個人差があり、一般的に男性の方が大きい。
平均0~6本。基本的には偶数だが、正常に対として生えてこない場合も多く、奇数の本数を持つ人は沢山居る。
硬い骨の表面を、コブのような角質が覆う形で生えてくる。後頭部から額にかけてのすべての場所に生える可能性がある。角質は額から鼻にかけて発達し、いびつなサイの角のような形を作ることもある。
角の形状には様々な種類がある。大きさや位置は左右で異なることが普通だが、全く異なる形状(巻き角と枝角など)が左右に生えることは稀。
角を削る場合、骨の部分に干渉する際は痛みを伴うが、角質は骨に比べて柔らかくできており、これを削って整える人も多い。
角の大きさは一般的に左右で不均一で、成熟するまでは利き腕の側が短くなる傾向がある。そのため多くは左側が大きい。子供の時の利き腕によって、将来どちらの角が大きくなるか予測することが出来る。
大人の殆どは両利きであるため、これによって左右の不均等な角の成長を抑える事が出来ると言われている。
アグドナに伝わる伝説に、「真実を深く探求しすぎる者は、その角が内に向かって巻いてゆき、やがて脳を貫いて命を落とす」というものがある。この神話が真実かどうかは定かではないが、角の生え方によっては頭を圧迫することは実際にあるため、安全のために一部の人は角を削ることがある。
牙と歯
イノシシに似た牙があり、あまり大きくはないが一部の個人(特に男性)は外から見えるものもいる。
歯はブタの歯に似ており、前歯、犬歯、臼歯がある。これにより、物に噛み付く・噛み切る・噛み砕く等の動作が全て可能で、非常に多くのものを食べる事ができる。
鳴き声
サーガル等と違いあまり動物的な鳴き声は出さないが、地声は低めで「ブルルル」など唇や喉を震わせる音も使う。
手足、尻尾
少年の頃のバクー
手の指の数は他のエルタス人同様に4本。親指と薬指にあたるものは短く、人差し指と中指にあたるものは長い。
殆どのアグドナは両利きだが、子供の頃は左右どちらかが利き腕である。
足の蹄は偶蹄類と同様に二股に割れており、後ろ側には副蹄(偶蹄類の後脚に見られる小さな蹄)もある。
尻尾は短く、ウサギなどの尻尾を大きくしたような形状で、ふわふわとした毛を持つ。
食性
ヒトや豚や猿のような完全な雑食性。
咀嚼できるため、基本的に調理されているものなら何でも食べる。
サーガルに関しても同様のことが言えるが、食用とするタリクシアン生物には動物の植物の差があまり無いため、食材に関して動植物の差による大きな問題は無い。
生態・文化
ゲドの問いかけに答えるアグドナの男性 - 第二話『シーグの暗雲』より
特筆すべきは南部と東部におけるサーガルとの歴史的な深い繋がりで、この二種が存在する地域ではサーガルとアグドナの関係がネウリア族における男女の協力関係に匹敵するような相互作用を織り成している。
戦前の北方アグドナは数が少なく、一般的に物静かで素朴な暮らしをしていた。北方サーガルのグループに極稀に混じっていることもあった。
性格
性格は複雑で多様であり、サーガルやネウリアよりも多くのパーソナリティを持つためより幅広く色々な人がいる。
基本的には平和的で大人しい種族ではあるが、パートナーや技術力への嫉妬など、他のエルタス人には無い「感情的な執着」による特性が非常に強い。これはアグドナがエルタス三種族で唯一授乳による子育てを行う生態に由来する。
感情的な側面には恨みを抱きやすいという特徴もあり、感情が高ぶると暴力的になりやすく、悪人に対して私刑による集団暴行を加えることもある。
特に義憤、憤怒、苛立ちなどの怒りから沸き起こるエネルギーで行動する特性はアグドナ特有のものであり、問題が解決されない事や理不尽を感じた時に強く発揮される。
「感情」に起因する特性の良い面では報われない同胞や子供への慈愛や慈しみを深く持つという面もあげられる。
社会性
屋台でGR焼きを売るアグドナの男性 - 第三話『縁日にて』より
一般的に工芸品や発明品の開発や製作に秀でており、多くの鍛冶屋や職人、技師がアグドナから輩出されている。行商人が売る工芸品の大半がアグドナの職人によるものであり、広く知られている「サーガル鎧」もアグドナの手によって完成させられたものの一つ。惑星タルにおける技術と文明の向上レベルはほぼアグドナの手にかかっているとも言える。
家族形態が社会形態に密接しており、異性・同性、そしてサーガルとの異種カップルを含んだ様々なカップルによる親と子供によって構成される大家族から、一つの工場や学校などが成り立っていることがよくある。
性差
男女の関係、扱い、性差もヒトに類似しており、男性のほうが筋肉がよく発達する。
女性は乳房を有し、授乳による子育てを行う。
力仕事などは通常男性の役割であり、女性は家庭内で家事や育児に専念していることが多い。
恋愛と性的傾向
男性は師弟関係における同性愛が多く、サーガルの男性との同性愛も多い。女性はアグドナの男性と同種異性婚をしていることが多い。
サーガルの文化と比べるとややパートナーへの独占欲が強く、女性はサーガルに比べて実子に拘る。勿論その上で、大勢の家族をかまえていたりもする。
サーガルの男性とアグドナの男性の同性愛者に関して、多くの場合はアグドナの男性が「受け」の立場につくらしい。
発明
アグドナの発明で有名なものに「櫛」がある。櫛はノミとりにも使われる。櫛が発明される以前は、手の構造の都合から毛づくろいするという文化がなく、ただお互い寄り添うだけだった。
サーガルには毛づくろい文化があるため、ゴールドリングではサーガルにしてもらった毛づくろいを返すために櫛を発明したと言われている。(実際はもっと古くからあったという説もある)
これはサーガルがアグドナの文明向上を促し、協力関係を確固としたエピソードの一つとしても使われていて、近代では学校などで教えられる。地球における、人類の火の開発などに近い。
アグー時代(古代)
古代、「アグドナ」という種族名となる以前は「アグー」という名称で、現在のアグドナに比べると全く別の種族と言えるほど異なる文化形態を持っていた。
アグー時代の頃からタルの各地に点在しており(ネヴ山脈を除く)、決まった集落などを作らず岩穴や洞穴などに住んでいた。
「アグドナ」という種族名となったのは南部でサーガル達と出会った以降で、その以前のアグー時代は支配層と奴隷層が明確に分かれたかなり野蛮な種族であった。
男同士が力で争い、より強い男が女や食べ物を独占し、敵対するグループの子供を殺して食べるなども行っていた。
サーガルとの関わり
リベンク山脈でエルタス植生のサンプルを採取するアグドナの男性と、物資を運ぶサーガル
サーガルとは種族全体で相性が良く、お互いの長所が不得意分野を補い合う形で、噛み合う歯車のように強固な相互協力関係が出来上がる。ネウリアが男女でそのような陰陽に喩えられる協力関係を持っている傍ら、サーガル・アグドナは互いの種族で陰陽の関係を持っていると言える。
特に南部における南方サーガルとの歴史的な協力関係が顕著な実例で、ゴールドリングのような文明の賜物はサーガル・アグドナの二種が存在したからこそ築きあがったものと言える。レオノなど中部~東部の地でも南部からの延長としてサーガル・アグドナの強い繋がりが存在する。
具体的にはサーガルが自然環境や野生生物に対する本能的能力を発揮してアグドナを守り、一方でアグドナは手先の器用さや集中力を発揮して技術開発や産業に携わる形で飛躍的な文明発展を遂げた。この過程により、アグドナはアグー時代の文明体系を新しい文明の在り方に適応出来なかったアウトリングの者を除いて完全に失った。
現在ではアグドナのいるところにはサーガルがいることがほぼ当然となっており、アグドナ単独で暮らしていることが殆ど無い。
文明や性への感性は殆どサーガルに準ずるが、パートナーや実子への感情的な拘りはアグドナ特有。
サーガルが持ち得る本能的・直感的な感性と勢い、自然法則を見抜く目がアグドナにとっては魅力的らしく、興味と関心を持ち欲している。サーガルが極自然とその手のスキルを日常的に使っているのを、アグドナはそれを技術によって固定化しようとしている。例:必要な薬草をサーガルが直感で選び出して薬を作り、アグドナはその薬が市販に行き渡るよう工業的に製造する。
アグドナからサーガルへは、サーガルの手先や集中力では成すことが出来ない複雑な作業・細かい作業・科学的な知識などを必要とする作業において大いに活躍している。特にゴールドリング・レオノでの毛染め文化はアグドナの手先無しでは行えないものであり、戦前シーグなどアグドナがほとんどいない地域では単純な戦模様くらいしか存在しなかった。
戦闘能力
武器を構えるアグドナの男性 - 第三話『縁日にて』より
弓矢を準備するアグドナの男性 - 第二話『シーグの暗雲』より
器用な手先と安定した視野により非常に多彩な武器を扱う事が出来る。武装の違いに応じて近距離から遠距離まで様々な戦法を成すことが出来る。
主な武器
ハンマー、メイス、大弓、大剣、斧、自動弓、銃等。
他のエルタス人と違い、武器であれば殆ど装備可能で、重い盾も装備出来るため装備品に関して最も持てる幅が広い。
アイテムと装備可能な道具が多いため、しっかりと武装すれば驚異的な強さを発揮する。
素手の場合
蹄による殴打、蹴り、角を構えた頭突き。
格闘術の型は最も多い。走って勢いをつけることも出来、立ち止まった状態からもパワーのある技を繰り出せる。打撃技属性。
他のエルタス人に比べると耐久方面の能力が高く、豊富なスタミナと粘り強さがあり、産業面においても大いに発揮される。
素手ではサーガルほど強い攻撃力は持たないが、その分豊富な武装が可能であるため、攻撃面は武装次第である。
戦闘能力と技法
走りの最高速度はエルタス人の中で最も遅い。持久力はサーガルに劣るがネウリアよりは高い。
身体面では最も屈強であること、重装備が出来ること、威力のある近接打撃と遠距離攻撃の両方が出来る事が強み。
自分から追いかけていく戦いにはまったく向いておらず、防衛や少人数の戦闘に向いていて、狩りや掃討戦には向いていないと言える。
守りは強いが、自分から攻め入るのは全く不得意とする。
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