タリクシアンのヒル類
タリクシアンのヒル類(Talyxian Leeches)は、タリクシアン生物に属する捕食動物。
乾燥地以外のあらゆる場所に生息する。
基本的には、筋肉質で手足のない長めの胴体と頭部には硬質の嘴と複数の目玉、分厚く弾力のある頑丈な皮膚と体表から伸びた触角を備えるが形態は様々で多くの亜種が存在する。
ファンダムではしばしば「砂漠の獰猛な巨大虫型モンスター」として描かれることがあるがこれは誤り。前述した通り砂漠のような乾燥地は生息地に含まれていない。
形態
ゆっくりと這う姿からは想像できないほど素早く飛び跳ねたり、器用に木の幹に巻きついて高所から垂れ下がったり、穴を掘って中に潜むなど大抵の地形に適応する。例として、ネブ山脈に生息するものには樹上性の蛇に似た、より細い体型と機敏な動きを特徴とする種類がある。
毒針や粘着液を持つ種類も多く、肉食でドンドコなど他のタリクシアンを捕食するだけでなく、エルタス人の動きにも反応して襲いかかってくる厄介な敵である。毒針は嘴の溝から飛び出して相手の身体に刺さり、注入された毒…実際には微細な粒子が物理的に神経を侵すことで身動きを取れなくさせるため、タリクシアンにもエルタスにも効く。
捕食時は嘴を大きく開いて胃袋を裏返し、身動きの取れなくなった獲物を直接包み込んで飲み込む。
嘴の根本にある複数の目玉は広い視野を持ち、視覚の利かない濃霧や液体の中でも体表や嘴から生えた触角や毛で周囲を認識している。
森の中で山ヒルと対峙し、盾で毒針を受けるサーガル族。エピソード1『薬採り』より。
盾を貫通し、サーガル族の腕に刺さった毒針。毒針は筒状にもなっており、毒による麻痺がすぐに起こらなくとも大量に出血させることで獲物を弱らせる。
生態
知能は低いが単純な社会性をもち2、3頭の群れで連携して獲物を追い詰めることもある。
雌雄同体で栄養状態が良くなると体内に大量の卵を作って交配し定着形態へと変化して地中に潜る。親は地中で体組織を徐々に卵の養分に変換しながら一生を終えるため、幼体が孵るころには嘴だけが残る。幼体は親と同じ姿形のまま大きさは靴程度。脱皮を繰り返して成長するが、成体となる速度は餌の量によって1~10年程度の開きがある。
定着形態になると地中の本体はほとんど動かなくなるが貧欲であることは変わらず、地表に伸ばした粘着性の触手に生き物が触れると地中に引き込んで捕食し、積極的に卵の養分に変える。主に小型のドンドコや虫などが多い。エルタスにも反応するがひぞみのんぼん化にエネルギーを多く使うため、塩分を感知すると吐き出すことが多い。消化器官の残っているうちは捕食行動を行う。
人々との関係
硬質の嘴はヒル本体が破壊された後も、長い時間風化せずに残る。地面を掘り返したときにまとまって見つかることもある。これには素材・収集品としての価値があり、装備や装飾品に加工される他、好事家から子供まで多くの人のコレクションの対象となる。特に大型のもの、傷の無い状態のものはハンターの腕前を示すトロフィーとしての価値も示す。
また、ヒル類は多様な大きさ・形態に渡り、定着型のままと思しきものも存在するため、地域によって分類や呼び名が異なる場合がある。
超大型になる山ヒル、黒いタリクシアンに近いとされる沼ヒルなど一般にヒルとされる生物は食味も悪く、ヤツツキ同様の見境のない食性から人の食用に適さないが、大型のものは外皮・内臓皮などに用途がある他、油圧による射出針は塩麻酔銃の開発に応用されている。
ヒル類の性質は産地に大きく左右されるようで、リベンク、アスタナ、ゴールドリング圏内の地下水道や湿地帯等比較的毒性の少ない場所に生息し、かつ細かく分類されない小~中型のヒルは干物・焼き物などの食用に利用されているが、たいていは毒性も低くヒルというよりも貝殻をもたない貝とみなされている。大きなヒルの目玉には薬効があるとされ、ゴールドリングの薬師の間で取引されている。
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