ゴールドリング
ゴールドリング(Gold Ring)とはコルビロウス塩湖の沿岸にある巨大な港都市群。
沿岸沿いに三日月形に数都市が分散しており陸路または船舶によって結ばれている。
黄金の都とも呼ばれる惑星タル最大の都市でもあり、住んでいる種族には惑星タル内の種族全てが集まっている。漠然と「都会」や「都心部」という表記がある場合、大体はゴールドリングを指している。
物資は豊かで各地の交易品が集まり、他の地域に比べ裕福な暮らしをする者が多い。
野生のタリクシアン系生物から守られているため安全であるが、生活密度が高く人が起こす事件は比較的多い。
約400年前に南方サーガルとアグドナの共生を基礎にして都市ゴールドリングが生まれ、コルビロウス塩湖とセイルザーンから産出される塩を交易品として時代の経過とともに優れた自治体制や道徳、技術、文化、商業を発展させながら現在に至る。
ゴールドリング創始当時からある中心街は都市北部に位置し巨大な一枚岩をくりぬいた古建築街と寺院、沿岸のエルタス保護林と大庭園などがあり、遠方から訪れた行商人や旅行者を楽しませる。政府の施設や庁舎、ジュダや貴族、官僚が暮らす地区もこの辺りに集まる。
これらの都市に住むサーガルは南方種と東部の混血種が主で、その人口はゴールドリング内におけるアグドナの人口よりもいくらか多いほど。ゴールドリング日常漫画シリーズには彼らの生活の一部が描かれている。中心部に居住したり店を構えるためには住民登録が必要であるが、郊外のセイルザーンのほとりに至っては耕作や建築もほぼ自由。
2016/11/14 設定変更: 以前当記事に掲載されていたモノリス状の建築物(画像)はゴールドリングの建物ではなく、タルの極南にあるという設定に変わりました。
人種
ネウリアは元々ゴールドリングには存在していなかった種族のため、古くから住むサーガルやアグドナ達にとって外国人のような扱い。戦後からレイン歴70年以前までは様々な理由(ネウリアの項目内で記述)により、ネウリアは偏見を持たれていたり信用が低かったりするなど差別的扱いを受けていた他、丸呑みショー(後述)の獲物として見世物に使われるなど命をも軽視されていた歴史をもつ。近代においてネウリアが正式にゴールドリングの新しい人種として法で認められると徐々に緩和していく。
中心部に住む貴族はサーガルとアグドナが主で、ゴールドリング創始当時から続く血族である。サーガルの貴族は特徴的な茶色い毛皮をもち、貴族同士の結婚・近親交配を繰り返しているためか細身で小柄。セイルザーンに分散していたサーガルの数部族、アグドナはマゴイシタの周辺から来た数部族がルーツであるといわれている。
文化
宗教
「黄金の輪」という太陽信仰がある。詳しいことはまだ不明。
ビロウス(太陽)の姿見
太陽神が己が姿を確かめるため太古の湖を作り、神の映し身としてはじめの生物が湖から生じた。生物の糞から大地が生じた。全ての水・風・塩が塩湖から生じる。水は深い影のもとに初めからあったので、混じってひとつになる性質をもっている。神の映し身であるはじめのさかなが目を覚ますために海水のしみる痛みを用いた故に人間も傷に塩を塗ると傷むといわれる。塩の痛みによって皮膚が生じ、感触やにおいを感じるようになった。皮膚によって他者が生じた。 |
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人間 |
サーガルの言い伝えや風習 |
アグドナの言い伝えや風習 |
ネウリアの言い伝えや風習 |
恋愛
恋愛に関する事柄は人種が多いために、他害性が高いもの以外はバリエーションに寛容である。
アグドナとサーガルのカップルについては、前述したような背景からこの二種の共同家族・異種間愛はごく当たり前になっている。またエルタス人は他人種の子をもうけることができないため、サーガルとアグドナ同士の同性愛は同性愛として扱われない。
娯楽
伝統的なものまたは行商人が持ち帰った品や遠方での体験談や噂話によっても、様々な玩具、紙芝居、スポーツなどが発展していった。タリクシアン系生物を使った賭博は古くからあり、闘技場で人と戦わせることもある。マゴイシタなどの森から入ってくる原生生物を用いた娯楽は野生生物との縁が薄いゴールドリング市民にとっての魅力的な娯楽であり、闘技場にてそれらと人が戦うまたは生物同士で戦う様子は大々的に催される祭りの目玉となる。また、職人のパフォーマンスを織り込んだ巨大生物の解体と競りは一般客も参加し、娯楽も兼ねる。
ビロウス漫画第三話「縁日にて」では闘技場で催される生物を用いた祭りの実際の様子が描かれる。当日には様々な屋台が出店しており、非常に華やかである。これらの祭りは非常に根強い人気があり、レイン歴28年以降の世界大戦開始から終戦後しばらくまではタル全土に渡って及んだ流通網の破壊と不機能により森の生物を仕入れることが出来なくなるため、その間は行われなくなる。
レイン暦50年以降ネウリアが文明に参加し始めてからはさらに音楽や演劇など華やかな文化が大きく発展した。
世界大戦後しばらくはレイン将軍の影響によりサーガル・ネウリア・タリクシアン・ストーカーによる丸呑みショーなるものが地下劇場として発生する。呑み込まれるものは大盛りの食品や大小様々な生きた動物だが、中には人(主に小柄なネウリア)が被害者になる違法なショーも存在した。
政治
政治体制に関しては大統領のような国家元首はおらず、貴族たちによる合議制であり、レイン暦70年以降には都市象徴として「ジュダ」制度が始まった。また、直接政治に係わることはないがタリクシアン・ルーターは特殊な立場にいるため、求められれば意見することもある。
貴族達はゴールドリング創始当時からのアグドナとサーガルの憲法を保証し問題や危機が起これば会議を行ない、敵性生物や都市設備問題にはGR庭師組合が、犯罪や外敵侵攻にはGR自警団が現場にあたることとなっている。
緊急時を除いた市民生活に係る組織的な運営は戦後に大きく発展した。それまでは旧式のゆるやかな制度から成り立ち、ほぼしきたり的な互助作用に頼るような、法が確立されているとは言い難い状態が長く続いた。
人権
ゴールドリング都市憲法は戦後しばらく(レイン歴70年以前)までサーガルとアグドナの相互利益のため補助的に人権と財産に関する法が存在していた。
レイン暦28年頃急激に移民流入したネウリアに人権がほぼ保証されていない状態だったため、彼らに対する法外な扱いが横行し、レイン歴70年以降に一部改訂され、ネウリアを明確に第三の人種として認め、更にごく一部のタリクシアン・ストーカーにも適用されるようになった。
タリクシアン・ルーターについてはゴールドリング議会と全ルーター間に特別協定が設けられている。
裁判と刑罰
以前は比較的治安が安定していたが、レイン暦40~50年以降には殺人、窃盗、強姦など明確に禁止されている重犯罪が頻繁に発生するようになり、取り締まりが追いつかなくなった。
自警団により逮捕されれば法により罰せられるが、治安の悪いところでは取り締まる前に主観的な制裁や戦闘で正当化されることもある。
重罪人は新しいタリクシアン系食品の毒見に用いられ、死亡するまで人体実験の被験者として拘束される。もしくは「ケフ流し」として数日分の水と食料などとともに南方の不毛地帯に置き去りにされる。
貴族や古くからの住民、公職の者、共同住宅に住む者以外は独自に新規の申請手続きを通さねば住民登録がされず、ただ生活するには大きな問題はなくとも、争いが起こった時に居住地が都市部から遠かったり単に手続承認に時間がかかり、登録のない故に裁判で不利になるといった問題も起こっている。
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