ゲストアーティストのAutkoさん作のイラスト・コンセプト原案およびビロウスチーム監修による、ビロウス世界観における喫煙具の設定の紹介。

骨パイプ

古来北部の地発祥の喫煙具の中では最も有名。正確な起源については不明だが少なくともレイン歴の以前から存在しており、呪術師の存在と共に薬草を用いた様々な目的で利用されてきた。

タリクシアン生物から採取した長めの骨を原料とし、石器や他の骨により苦心して彫り込み拵えたこれらの道具は頑丈で機能的、素材の形状によってさまざまにアレンジされる。

その造りと質は至って簡素である。火皿から吸口までをくり抜くために簡単な道具を用い、とくに柔らかい素材では指爪だけでも作れたことから非常に長い歴史を持っており、現在に至っては基本的に骨董品として扱われる他、儀式的な道具として見なされることが多い。呪術師は儀式の用途に応じて布、塗料、その他色々な装飾品を用いて飾りつける。

フルートパイプ

北部のサーガル社会にアグドナ達が加わる機会が増すにつれ武器や馬車だけでなく日用品にも技術革新が起こった。造作の細やかさに磨きがかかったことで更なる複雑な機構や幅広い素材使用が可能となり、様々な目的に応じたあらゆる種類の道具が作られるようになった。喫煙具もそういった恩恵を受けたものの一つであり、独特の装飾やよりよい利便性をもつ多様な品が生み出されていった。

優れた職人技とそれを共有することに長けたアグドナの一族によって、動物の骨だけでなくその代わりとなる他の様々な素材も原料とすることができるようになった。

そのような流れから生まれた喫煙具の中でも特にフルートパイプのデザインと種類は多岐にわたる。伝統的な喫煙具の中では特に様々な技術の交換を大いに投じて開発されたものと考えられている。あらゆる人種に対応できるよう長い軸と幅の広い吸口に、フシフシ由来の繊維をメッシュ状に加工した交換可能な使い捨てフィルターを備えている。

ケフバシや薬草類の人気が北部全体に広まると同時に、こういったさまざまな喫煙具が北部や東部から交易品として塩の道を渡りやがてゴールドリングに伝わる。時代の流れと共にアグドナの技術力によって更に進化した、より様々な形状、サイズ、用途を持つ品が多数作られた。後述するフィルターパイプもこれらから発展した現代式の新型パイプの一つである。

フィルターパイプ

より手ごろな価格かつ高品質で長持ちする、高い実用性を持つ製品を目指して開発された現代式喫煙具。

フィルターは層構造となっている。有害な物質や雑味をある程度減らす機能を持つ、スポンジに似た使い捨ての副フィルターの上に、綿と繊維からなる複数のフィルターが重ねられ、これらが煙に含まれる特定の化学物質を濾過し、ケフバシの味わいはそのままに眠気を引き起こす効果をある程度弱める。

ボウルおよび火皿に煙草を入れて点火する。吸引すると噴出口から湾曲した軸を介して煙が本体内部に吸い寄せられ、フィルターを通っていく。

基本的にこの形式のフィルターパイプはほぼ全体が金属で作られているため、骨や木などの喫煙具より寿命が長く丈夫である。

ヒルの針製パイプ

喫煙具の中では特に優れた高価なものの一つ。造型は伝統的なパイプの様式に沿いつつ、骨、木、セラミック、更には真鍮に似た金属に及ぶ様々な素材で土台を形成し、先端に特殊な細工を施したコネクタを組み合わせて作られている。

繊細なタリクシアンのヒルの針を熟練の職人が加工した後、ケフバシの巻紙などを挿入する容器として使い、コネクタの部分に火を点けて巻紙を燃焼させる。針そのものの耐熱性に加えて、細部に金属とセラミックを用いた耐久性のある特殊加工を施している。素材の入手及び加工の手間などの点から非常に希少で高価である。

価値の高いものと見なされる理由としては、その物珍しい見た目や、打ち倒した獲物からの戦利品であるという側面の他に、個人で所有する分には血の石の貴族やその他の裕福層、マニアの手に渡ることが多いという理由もある。

設定監修および考案:ドラゴ きき ミック小野
コンセプト原案およびイラスト: Autko
日本語版翻訳: 航鉄コ獣、校正: ミック小野